タイの織物の村へ行って来ました。彼女達との出会いは3ヶ月程前。ある展示会に出品していたのをたまたま見つけ、その布の風合いに興味を持ち、後日試作を作りたいとコンタクトを取りました。しかし、最大の問題は彼女達はタイ語しか話せないという事。。。メールのやり取りも、代表の妹さんが変わって英語で返してくれるのですが、それもカタコト。勿論、私もカタコトの英語です。何とか発注書を送って、試し織りをしてくれる所までこぎつけました。そしてついにそれが出来上がったという事で、現地に直接行って話し合いをする事にしたのです。
バンコクからさらに国内線を乗り継いで、Khon Kaen空港へ。そこから車で3時間。自然いっぱいの田舎町の中に彼女達の作業場がありました。ここでは、綿や天然染料を原料から栽培し、それを自分達で糸や染料にし、染め、そして織っています。勿論、食べ物も時給自足。朝食と昼食は皆がそれぞれ自分達で作ったおかずを持ち寄って、それをシェアしてみんなで食べます。しかもおいしい。私達も毎日頂きました。
働いているのは全て女性でそのほとんどが高齢の方々。若い人たちは皆都会に出て行ってしまう為です。タイでも量産型の機械が次々と導入され、生産効率の悪い手仕事は衰退しつつあるということでした。代表のウッドさんは、自身も手織りのスペシャリストで、村の女性の仕事の支援のため、またハンドクラフトがこれからも続いて行くように活動されているそうです。
私達の試作はと言うと。。。なるべく指示通りになる様にとっても頑張ってくれていました。初回としてはだいぶ上出来。しかしまだ最初の最初なので色々と改善点もあります。それをカタコトの英語と身振り手振り、手書きの図説等を駆使しながら伝え、お互いに意見交換してなんとか理解し合えたかなと。。。。とにもかくにも焦らずに彼女達のペースでじっくりゆっくりと一緒に良い物を作って行ければいいなと思います。次の出来上がりが楽しみ!
タイは笑顔の国と言うだけあって、皆控えめで優しい人柄でした。田舎なので余計にゆったりしていたのかもしれません。タイ語には『遠慮する』という言葉もあるように、割と日本人に近しい感覚がある国なのかなという印象です。言葉は違えど感覚で何となく分かり合えるような、そんな気がしました。